早くも自己最多に並ぶ2桁10勝を挙げて自己最高の前半戦を送った大瀬良投手。投球イニングも180回を超えるペースで投げておりまさにエースの役割を担っています。今日は何が飛躍のきっかけとなったのか、一端に触れている記事があったので紹介したいと思います。
今回、この記事を書くきっかけとなった記事がこちら。
「2段モーション解禁」で広島・大瀬良大地はなぜ勝てるようになったのか | 文春オンライン
もうご存知の方も多いかと思いますが、今シーズンから昨年まで禁止されていた2段モーションが再び解禁されました。
大瀬良投手はこれを受けてフォームを改造。
昨年はゆっくり足をあげて静止しないギリギリで足を下ろすフォームで2桁勝利を挙げていましたが、今年は大きく振りかぶり、左足をいったんベルト付近に上げて一度脱力、再び足を引き上げて打者に投げる2段モーションのフォームへと改造。
本人もフォームにタメができたことで体重をしっかり乗せて球に伝えられるこの新フォームに大きく手ごたえを感じているようですし、実際に成績も大きく伸びています。
ボールの球威が増して相手打者に簡単に捕らえられなくなったこともあってか、心にも余裕が生まれているようで、調子が悪く制球が定まらないときでも、去年までの厳しいコースを狙って悪循環に陥っていたところを割り切ってゾーンに思い切って投げることで粘りを見せて試合を作ってくれています。
被打率が昨年の.255から今年の.207と大幅に良化していることからもボールの質の向上は見て取れます。
相手打者の去年までよりキレが増し、手元でボールが伸びている感じがするという証言もボールの質の向上を裏付けています。
そんな大瀬良投手ですが後半戦に向けての課題はスタミナ、体調の維持になるでしょう。
昨年までで投球回数の自己最高はルーキーイヤーの151回。
昨年は規定投球回数を何とかギリギリでクリアはしましたが、今年はエースとして投げ続けており、既に98 2/3回を投げています。
シーズン試合数をまだ半分近く残してのこの数字ですから、このままいけばイニング数自己最多の大幅な更新はほぼ間違いなく、180回も見えているでしょう。
2シーズン先発ローテーションをほぼ守ってシーズンを過ごした経験はありますが、これまでとは疲れが明らかに違うはずです。
昨年、8月は5試合に先発して防御率は6.49。
打ち込まれてローテーションを外れるなどあまり結果を残せていない試練の夏場がもうすぐやってきます。
幼い頃から先発として投げてきて、まっさらなマウンドで投げることへのこだわりもあるそうで、特に先発として試合の結果を左右する責任感を持ってマウンドに立っているといいます。
それに加えて一時チーム事情で中継ぎへの転向を経験したことで救援陣を助けるピッチングをしなければいけないという意識も当然ある。
そのためにも少しでも長いイニングをとここまで投げ続けていますがこれからは間違いなく更なるスタミナ勝負になってきます。
大瀬良投手も当然工夫をしていて登板3日前くらいからは炭水化物であるご飯を多めに食べているそう。
食べることによるスタミナ面の維持ももちろんですが、今シーズンすでに2度試合中に足をつって降板しているだけにそちらへの対策も大事になってきそうです。
これから迎える大瀬良投手さらなる飛躍への正念場となる夏場へ向けて、しっかり食べて体調を維持するとともにトレーナー陣の助けも借りて怪我の防止もお願いしたいところですね。
それにしても今シーズンの大瀬良投手は安定感が光ります。
今シーズンワースト、4回7失点でKOされた交流戦最終登板となったソフトバンク戦翌週のタイガース戦では7回無失点の好投。
踏み込んだ左足がいつもより一塁側に着地していたために身体が開いて腕が最短距離で出ずにボールがシュート回転したのが打ち込まれた原因だったそうですがわずか1週間でこれを修正。
きっちりと調子を取り戻すあたりも先発としての引き出しの多さ、今年の安定感につながっています。
少し話は逸れますが大瀬良投手といえばその人柄の良さでも有名ですよね。
藤浪投手にデッドボールを当てられながらも余計な心配かけまいと笑顔で一塁へ向かったこともありました。
もちろん味方に対してもその人柄は発揮されていて、自身の白星が消されても打たれた中継ぎ陣に対してポンポンと肩に手をやって労う場面も見られました。
中継ぎを経験しているだけに、そしてCS敗退へと直接つながる一打をリリーフとして打たれて悔し涙を流した経験もあるだけに、今のカープ先発陣の中で誰よりも競った試合での中継ぎ陣の気持ちが分かる先発投手だと思います。
ジョンソン投手、野村投手とチームの柱になってくれる先発投手は他にもいますが、現時点での今年のエースは間違いなく大瀬良投手です。
ストレートでぐいぐい相手打者を押していける球威もありますし、優しさは良いところとして持ってもらうとして、それに加えてチームをぐいぐい引っ張っていける真のエースとしての自覚が後半戦で本人にも芽生えるでしょうか…。
チーム3連覇へ、そして大瀬良投手自身の新人王に続くタイトルの獲得へ。
オールスターでまた違った風に当たってさらにたくましくなって後半戦に望んでくれるはずの大瀬良投手の更なる飛躍に期待しましょう!
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