先日オールスター休みに選手会総会が行われ現役ドラフト制度の導入に向けて話し合いが進んでいることがニュースになりました。流動性に乏しい現状を打破し、飼い殺し状態になってしまっている選手の救済として機能する可能性を秘めている本制度。骨抜きにならず、バランスのとれた制度にするためのポイントを今日は考えてみたいと思います。
メジャーリーグでは導入済み、通称「ルール5ドラフト」
MLB規約の5条に定められていることからルール5ドラフトと呼ばれているようですが、12月上旬のウィンターミーティングの最終日に以下のルールで実施されています。
・入団契約時18歳以下の場合(高卒相当)は入団後満5年が経過していること、19歳以上(専門学校卒・大卒・社会人相当)は満4年が経過して選手が対象
・上記に加えてメジャー出場選手登録枠(40人)から外れていること
・獲得球団は金銭10万ドルを所属元球団に支払い、なおかつ翌シーズンは獲得選手を怪我以外ではメジャー登録枠に入れ続けること(シーズン終盤までは25人、終盤に40人に拡大)
・メジャー登録枠に入れ続けなかった場合には選手を所属元チームへ戻すこと(支払った10万ドルのうち5万ドルは返還)
ざっと以上のようなルールで運営されているようです。
対象選手は明確な基準に基づいて選出され、獲得球団もメジャー登録枠を1年補償するというリスクを負います。
それでもその価値があると判断された選手のみが指名されるため大半の選手は指名されないわけですが、指名されなかった選手へのケアという負担はありませんし(指名されないのが普通のため)、飼い殺しを受けている選手に出場機会を与えるという主旨であればこれくらいのルールで良い様な気はします。
翌シーズンのメジャー登録枠を保証する制度となっているため、強制力の強いものとなっていることに注目ですね!
日本で導入する場合…骨抜きの制度なら作らない方が良い
報道で伝わる限りですが、対象選手については
・選手会案は経過年数と通算登録日数などの基準を基に選出
・NPB案は球団が任意で対象選手を選出
やっぱりやるからには所属元球団の意思関係なしで自動的に選出される仕組みは絶対条件です。
客観的な基準を満たせない = それまでの所属元の意思の表れということで十分でしょう。
擬似的な戦力外通告になりかねない球団の意思が入ってくるNPB案でやるなら作らない方がマシです。
また通算登録日数を基準として使うことについても注意は必要で、球団間の不公平が無いようにしないといけません。
どうしても消化試合の多いチームがどうしても有利になりますからね。
圧倒的最下位に沈むようなチームはまだしも例えば独走で優勝を決めたチームはその後はある程度自由に選手を登録できてしまう、一方CSを最後まで争う中堅チームはそんな余裕はない。
結果として強いチームに有利に働いてしまう仕組みになりかねません。
また選手が怪我している期間をどう考えるか(例えばトミージョン手術のような長期離脱を余儀なくされるようなケース)、選手のために我慢をする球団が損をするような制度にしてはいけません。
このあたりは経過年数を長めにすることで対応したり、怪我をしている期間は一切カウントしないといった仕組みで何とかなる可能性はありますかね。
各球団公平にするためにある一定人数でプロテクトリストを作るという案もあるかとは思いますが出場機会を十分に得ている選手をプロテクトするしないの論議を呼ぶのは制度の趣旨に反しますし、擬似的な戦力外通告になりかねません。
ただある程度若いうちに実績を残しながらも中堅になって飼い殺される例もありますから、直近3年で1軍登録日数○○日以下などの条件を足すことで間口を広げるのは良いかもしれませんね。
一方獲得する側も、所属元球団がそこまで金銭と労力をかけて育成した選手を獲得するわけですから金銭だけの補償のような案も断固として却下するべきです。
メジャーリーグのように1年を通じて登録枠を保証というのは厳しすぎるにしても、移籍先の球団で飼い殺しになる可能性がない制度にしないと意味がありません。
やはり最低1軍登録○○日以上(シーズンの半分以上をイメージ)という条件は外せないでしょう。
打席数や登板数を縛るのはやりすぎだと思います、1軍登録をされていて使われないならそれは選手の実力不足に他なりません。
結果を期待できない選手に登録枠を奪われるだけでも大きなリスクですから、代償としては十分でしょう。
開催時期は7月が案として上がっているようですが、これは日本球界でやるならこのタイミングしかないと思います。
オフにはFA移籍とそれに伴う人的補償の話がどうしてもつきまといますから、チームの構成が固まるのが年明けというのも珍しくありません。
その時点でキャンプまで1ヶ月を切っているわけですからメジャーのようにオフシーズンに開催するのは難しい。
7月であればシーズン終盤に向けて新たな支配下登録選手をまだ足せる時期ですし、そのシーズンの予期せぬ怪我人によるチームバランスのゆがみを是正する目的での選手獲得という視点も出てきて、獲得を促進する要素が増え、制度の主旨にも合致してきそうです。
頻度についても毎年やるのか2年に1回なのかそんな話も出てきそうですが、7月にやるならけが人の状況という要素が加わり状況は毎年違うでしょうから、毎年やる方が良いと思いますね。
選手があちこちに動き回るというよりもイメージとしては1年に1人2人指名される選手がいるかいないか。
ただし指名されればその選手は少なくとも後半戦、できれば翌シーズンも出場機会確保に限りなく近い位置に行く。
やるなら強制力もしっかり持たせたそういう制度として導入して、数年運用して様子を見るのが個人的には良いと思います。
高卒選手の潜在能力を評価、素材型として獲得してじっくり育成する球団の足かせとならないように(高校生のプロへの間口を狭めることにつながらないように)、今後の議論を通じてしっかりと練られた案が出来上がるのを期待したいですね。
さて、カープは明日から大げさではなく逆転優勝に向けて首の皮一枚つながるかつながらないかのジャイアンツとの3連戦です。
1つ負ければ自力優勝は消滅しますが、今更そこは覚悟するしかありません。
ただマツダで負け越せば絶望的、2勝1敗で微妙ながら今のカード勝ち越せていない現状を加味してギリギリ(本来は3連勝が最低条件としたいくらい)。
雨が心配されますが何としても大瀬良投手でカード初戦を取って、今度こそ連勝につなげたい。
元気になりつつあると信じた打線の援護に期待しましょう!
球団記録をさらに更新するリーグ4連覇へ、チーム一丸で今年も頑張ろう、カープ!
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