田中選手が契約更改を終え、来年は4000万円アップの年棒は1億8000万円(推定)となりました。自己最低の打率を残してしまったシーズンでも大幅アップ。ここから伝わる球団からのメッセージを読み解こうと思います。
2018年シーズンの打率.262は自己ワースト…
今シーズンは2016年の打率.265をわずかに下回り、自己ワーストの打率となってしまった田中選手。
しかし出塁率では.362とリーグ20位の成績を残しており、我慢強くフォアボールを選ぶようになったスタイルを今年も継続。
タイトルを獲った昨年と比べるとどうしても数字を落としている部分が目に付きますが、それでも十分な成績を残してくれたといえるでしょう。
今年はエラー数も激減し、念願のゴールデングラブ賞も獲得した守備の部分での貢献もありました。
3年連続で達成、記録更新中の連続フルイニング出場記録もあります。
それでも1億4000万円からの年棒4000万円アップが妥当かという部分では多少の疑問がなくはないのですが、ここにカープ球団から選手達へのメッセージを垣間見たような気がします。
チームへの貢献という観点で評価
野球は27個アウトを取られる前に取れるかを競うゲームです。
そういう意味でアウトにならないことの意義は大きく、またアウトになったとしても如何にそのアウトに意味を持たせるかも大事な部分です。
例えばイチロー選手の評価の際に常に議論で出てくるのは、積極的に打ちに行くスタイルの分、突出した打率の割には出塁率がそれほど高くなかったことです。
ヒットを打つことよりもアウトにならないことを優先するべきかどうかの議論につながってきますが、アメリカではアウトにならないことへの評価が非常に大きい。
そういう意味では早いカウントから打ちに行く機会を制限、我慢して四死球を増やしている田中選手は打率だけでは評価してはいけない選手です。
上下する打率にこだわりを持ちすぎてはいけない、個人記録を追いかけ始めるとカープの培ってきたつないでいく攻撃、チームプレーが崩れてしまう、そんな主旨のコメントを田中選手が残していましたがまさにその通りだと思います。
球団からの4000万円増の評価はそういった自己犠牲の部分というか、チームへの貢献をトータルで考えて評価しますというメッセージもあるような気がします。
今年一気に打撃面で数字を伸ばした野間選手もいずれ1番に入るのであれば、この部分に課題を残しています。
もちろん一気に全て課題を解決するのは無理だと思いますが、来年一つ飛躍できるかもしれない伸びしろですよね。
…話は逸れましたが上で紹介した過去記事でも書きましたが高いレベルでショートの守備をこなしてくれ、打撃でもショートという守備に比重が置かれがちなポジションで平均以上の数字を残してくれる田中選手はやはり素晴らしい選手なのは間違いありません。
昨年獲得した最高出塁率、盗塁王、ベストナインのタイトルは今年は獲れませんでしたが、代わりに初めてゴールデングラブ賞のタイトルを獲得(坂本選手の離脱もあったとはいえ、身体の強さも含めてのタイトルです)。
もう少し盗塁死を減らしてくれれば…というのはありますが、それでもカープ打線のリードオフマンとしてふさわしい素晴らしいシーズンを送ってくれたと思います。
来年は180安打を目標として掲げていますが、変動する打率3割でなく、積み上げていく安打数を目標に掲げる辺りが田中選手らしいですね(180安打できれば打率3割にも届くと発言していたようですので初の打率3割も目標として意識はしているはずです)。
来年はショートとして鳥谷選手が持つフルイニング出場記録も無事にシーズンを過ごせれば抜くことが出来ます。
田中選手が自己ベストのシーズンを過ごしてくれれば4連覇へ向け、視界が開けてくるはずです。
4000万円アップの好評価はそのモチベーションにもつながるはず。
来シーズンに向けて、一歩一歩準備を進めていこう、カープ!
このブログの応援もよろしくお願いします♩⇩