今シーズン先頭打者として、破壊力抜群のカープ打線をけん引。
カープ史上初めてショートとして2年連続フルイニング出場を果たし、最高出塁率、盗塁王のタイトルをほぼ決定的なものとするなど、大充実のシーズンを過ごしてくれました。
今日はそんな田中選手について書きたいと思います。
東海大相模高校から東海大学、そしてJR東日本を経て2013年ドラフト3位でカープに入団した田中選手。
高校・大学とジャイアンツ菅野投手とチームメートだったことは有名です。
2014年、ルーキーイヤーから開幕一軍を果たし、シーズン中盤にサードのレギュラーを獲得すると、シーズン終盤にかけて足の故障に悩まされていた梵選手と入れ替わる形でショートのレギュラーに定着。
2015年には初の規定打席到達を果たしてオールスターに監督推薦で初出場を果たしました。
2016年、昨年からは東出コーチの付けていた背番号「2」を継承し1番に定着。
不動のリードオフマンとして今シーズンもカープを引っ張ってくれました。
そんな田中選手は今シーズン、そのバッティングに大きなスタイルの変化が見られました。
先頭打者として長打よりも出塁率を重視。
自分が気持ちよくスイングすることよりも、どういう形でも出塁して破壊力抜群の中軸に少しでも多くの得点チャンスを回すことを心がけてくれました。
昨年1番として試合に出続けた経験を今シーズンにつなげて、意図を持った打席を積み重ねることができたと振り返っています。
自身の成績を振り返っても出塁率と得点数を真っ先に一番評価できる点として挙げるなど、すっかり先頭打者に特化して役割に適応しています。
タナキクマルトリオが1番から3番に固定されて2シーズン目、お互いの役割に対する意識、それを実行する確率が成熟してきている手ごたえも感じているようです。
ホームラン数こそ昨年の13本から減らしましたが、我慢して逆方向への打球を意識し続けたことで打率、そして出塁率の劇的な向上に寄与。
打率は.265から.290へ、出塁率は.367から.397へそれぞれ大きく跳ね上がっています。
またツーベースの数が大きく伸びたことでホームランを減らしながらも長打率は.372から.407へとこちらも成績を伸ばしており、我慢の意識が結果的にはより怖いバッターへの進化を手助けしてくれたようです。
昨年も同様に逆方向への意識を持ってスタートしたようですが、途中で飛ばしたくなってバットのヘッドを利かせる練習を取り入れるなどホームラン数こそ伸ばしましたが、打率の面では満足できない結果に終わったことを受け、今シーズンは最後まで逆方向への意識を貫くことができたようです。
それでもバッターであるからには長打も打ちたいという気持ちは持っており、来年に向けてそこを課題として取り組むのかもしれませんね。
いずれにしても今年の素晴らしかった部分はそのまま残してくれると良いのですが…さらなる進化に期待しましょう!
他にも1番打者として投手が打席で凡退した後には初球を見逃すことを心がけるなど、目に見えない貢献もありました。
打撃面ではとにかく我慢を重ねてチームに大きく貢献してくれているのは間違いありませんね。
盗塁についても昨年の28から35と成功数を大きく伸ばす一方で失敗を19から13へと削減。
昨シーズン自由に走らせてもらった経験が今シーズン、あわててスタートを切る機会の減少へとつながったと振り返っています。
また、スタートをうまく切れなかった時には、行くのをやめることもできるようになってきたと語るなど、精神的な余裕がうまく技術の向上につながっているようですね。
もちろん精神面だけでなく、試合前の練習ではゴムチューブを腰に巻いて負荷をかけながら低い姿勢でスタートを切る練習を継続して実施。
一気にトップスピードにのるための練習が確実に実を結びつつあります。
しかし歴代盗塁王たちと比べるとまだ成功率がもう一段レベルアップの余地はありそうです。
土のグラウンドが本拠地なので一概に数字だけで比較はできませんが、より驚異的なリードオフマンになるために更なる進化を期待しています!
2年連続のフルイニング出場と、野村謙二郎さんや高橋慶彦さんといった歴代の名ショートでも達成できていなかったチーム史上初の偉業も達成。
昨年、自身初のフルイニング出場をした経験、特に厳しい夏場を乗り越えられた経験が自信となり、精神的な余裕にもつながったようです。
レギュラーとしてやるには計算できる選手であることが大事とフルイニング出場にこだわりを持って取り組んできた田中選手だけに、初めてのタイトルよりもこの記録を喜んでいるかもしれませんね。
攻撃面ではこれまで書いてきたように素晴らしい成長を見せてくれていますが、守備面ではまだ向上の余地ありといったところでしょうか。
シーズン序盤にエラーを連発、そこから良く持ち直したとは思いますが、結果的には16失策でエラー王にもなってしまっています。
サードの練習を重ねたWBCの影響があったのでしょうかね…。
菊池選手も苦しんだように体調面の問題も抱えていたのかもしれません。
それでもエラーの内容は守備範囲の広さ故というものよりもイージーなゴロの悪送球や捕球ミスが目立ったように思います。
ゴールデングラブ賞を争うライバルには坂本選手だけでなく、京田選手も台頭しました。
最強の二遊間コンビとしてタナキクコンビがアライバコンビを超えるためにも、ここを改善してもらいたいところですね。
そしてもうすぐ短期決戦が始まりますね、いよいよクライマックスシリーズファイナルの一週間前になろうとしています。
昨年は文字通り振ればヒットになるという大当たりで4試合で12打数10安打、打率は驚異の.833を記録。
今シーズンもその再現でチームを日本シリーズに導いてもらいたいところです。
クライマックスシリーズを勝ちぬき日本シリーズへ、そして日本一へ!
これからも頑張れ、田中選手!がんばれ、カープ!
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