またこの季節がやってきました。
ドラフトで選手を取るということは、登録選手枠の上限は固定されていますのでその分選手を放出しなければならないということ。
プロの世界ですので甘いことは言っていられませんが、寂しさが募るのも事実です。
今日はそんなカープを去る選手たちについて書きたいと思います。
まずは昨日、梵選手が自由契約となる旨、発表がありました。
今シーズンは自信初めて1軍出場がありませんでした。
球団事務所を訪れ、松田オーナーに挨拶した際にはこの先どうなるか分からないけど頑張っていく旨、伝えたようです。
球団側としても、低迷期を支えてくれた大事な選手ですので、出場機会を求める本人の意思を尊重して、各球団がドラフトを経て来年の構想を固める前であるこの時期に発表をしたのだと思います。
今であれば各球団、ドラフト会議を梵選手の獲得も選択肢にあると分かった上で迎えます。
せめてもの配慮とでも言いましょうか…。
三次市出身の梵選手は2005年大学・社会人ドラフト3位でカープに入団。
ルーキーイヤーの2006年にはいきなり野村前監督の後を継ぎショートのレギュラーの座を掴んで123試合に出場。
.289 8本 36打点 78得点 13盗塁の成績で見事に新人王に輝いています。
セカンドの東出・現一軍コーチと二遊間コンビを結成し、人気を博しました。
2007年は打率は落としますが18本塁打を記録、パンチ力のある打撃を披露しました。
2008年、2009年は負傷にも泣かされ打率は2割前半と低迷。
しかし2010年に全144試合にして完全復活を遂げると、ただ試合に出ただけではなく自身初の打率3割を達成し、.306 13本 56打点 82得点 43盗塁と素晴らしい成績を残します。
盗塁王に加えてゴールデングラブ賞も獲得し、カープ野手陣の顔としての地位を確立した年と言えるでしょう。
しかし2011年に左ひざを痛めて成績を落とすと、2012年には右ひざにメスを入れました。
それでも2013年には復活を遂げ、球団初のクライマックスシリーズ進出(=15年連続Bクラスからの脱却)に大きく貢献。
セカンドにコンバートされ、この年からレギュラーとして定着した菊池選手と最初にコンビを組んだのも梵選手でした。
田中選手の入団と共に試合の出場機会が限られ、持ち前のフットワークにも陰りが見え始めたことからポジションもショートからサードへ。
2015年にはサードのレギュラーに近い立ち位置で試合に出場を続けますが、打撃面での成績が伸びず、次第に出場機会を減らします。
安部選手の台頭があった昨年はわずか7試合の出場、そして今年は自身初の出場無しに終わり、出場機会を求めて自由契約での退団という形となりました。
古傷を抱える両ひざについて本人はダメであればとっくに辞めているという趣旨のコメントをしており、やる気は十分。
トライアウトには参加せず、他球団のオファーを待つそうです(梵選手ほどの実績がある選手のケースでは珍しくないと思います)。
だからこそ、ドラフト前に各球団に通知した意味合いは大きいと思います。
希望通り、何とか新天地が見つかると良いのですが…。
カープで現役を終える姿を見たかった気持ちはありますが、カープの低迷期を支えてくれた大事な選手だけに、球団の判断同様、本人の意思を尊重して新天地での活躍を祈りたいと思います。
また将来、指導者としてカープに復帰してくれると良いですね!
そんな梵選手と同じ地元で同級生、そして同じく去就が注目されていた永川投手。
こちらは今日、来年もカープで現役を続行することが報道されました。
減額制限を超える年俸提示を飲んで、来年の復活を期すようです。
来年に向けて、9月下旬には左ひざのクリーニング手術も終えているようです。
通算500登板を超え、積み重ねた165セーブは球団記録。
その実直な性格から、2軍で若手投手陣にも慕われよいお手本になっています。
150km/hを超えるようなストレートはもう投げられないかもしれませんが、今シーズンフル回転した中継ぎ投手達が来年同じようにフル回転してくれる保証はどこにもありません。
そんな時に永川投手の経験値がチームにとって頼れる武器になる可能性は十分にあります。
もう一花咲かせてくれることを大いに期待したいと思います!
そして時を同じくして第一次戦力外たなった4選手が発表されています。
全球団のシーズン日程終了翌日までが第一次期間、日本シリーズ終了翌日まで(日本シリーズ出場チームは5日後まで)が第二次期間となります。
今回、発表されたのは今井投手、小野投手、多田捕手、育成の松浦捕手の4人です。
今井投手は2005年高校生ドラフト2位でカープに入団。
4年目の2009年に1軍デビューを果たして先発やロングリリーフとして活躍。
黒田投手に似た投球フォームでも注目され、2012年には一時期、先発ローテーションに定着し初完投、初完封も記録して自身最多の4勝を記録。
翌2013年には主に中継ぎとして自身最多の33試合に登板しましたが2014年以降登板機会を減らしていました。
昨年は1軍登板なしに終わり、試行錯誤の末フォームもスリークォーターへ変更。
しかし今シーズン、結果は出せずに4試合に登板して防御率5.40の成績でした。
30歳になる今井投手は現役を引退する意向を示しています。
小野投手も今井投手と同じく30歳。
2013年にジャイアンツから青木高広投手とのトレードでカープにやってきました。
その年と翌2014年に主に敗戦処理ながら各20試合前後に登板。
しかし、2015年1軍登板なしに終わると去年も6試合で防御率7.36と結果を残せず、今シーズンは再び登板なしに終わっていました。
すぐに野球を諦めることはできず、今後は未定ということです。
多田捕手は2014年ドラフト7位でカープに入団、189cmの長身捕手として注目されました。
去年2軍で実戦デビューを果たし13試合に出場。
しかし今シーズンは2軍でも出場わずか5試合、打席も5打席のみと機会は限られていました。
まだ21歳と若く、やりつくした感じはしないということでトライアウトに挑む予定のようです。
最後に松浦捕手は2014年育成ドラフト1位でカープに入団。
昨年は四国アイランドリーグplusに派遣され、22試合に出場して試合経験を積んできましたが、今シーズンは2軍で9試合、6打席の出場にとどまり、支配下選手登録を勝ち取ることはできませんでした。
24歳とまだ若いですがトライアウトを受けるかどうかも含めて今後は未定ということです。
寂しいですが、選手登録の上限が決まっている以上、そしてドラフトで有望選手をとらなければチームの未来がない以上、プロ野球選手の宿命とも言えるでしょう…。
梵選手含め、これまでの各選手のカープへの多大なる貢献に感謝するとともに、現役を続行する決断も、退く決断も尊重して、今後の更なる活躍を祈るばかりです。
まだ誰になるかは分かりませんが、ドラフトで入ってくる未来のカープ選手たち、そして今いるカープの選手たちには5選手のためにも更なる活躍を期待したいと思います。
頑張ろう、カープ!
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