昨シーズンからのカープの強さの一つに隙を逃さない走塁・積極的な守備がある点は見逃せません。
今回は河田一軍外野守備・走塁コーチを特集した記事があったので、自分なりに調べたことと合わせて紹介したいと思います。
かなり古いですが今回、元となった記事がこちら。
広島鈴木誠也後逸「でも突っ込め」河田コーチの教え - 野球 : 日刊スポーツ
昨年のカープ優勝の影の立役者と呼ばれるのが河田コーチ。
現役時代は広島と西武で好守の外野手として息の長い活躍を見せ、2004年から西武の守備走塁コーチとして手腕を発揮。
昨シーズンから古巣カープの外野守備走塁コーチに就任しています。
就任して以来、積極走塁、積極守備を合言葉に選手たちの意識改革に着手。
三塁ベースコーチとしての積極的な姿勢がカープの選手たちの持っていた高い走塁力と見事にハマり、チーム全体をアグレッシブに変貌させその走塁力は連覇を達成したチームの強い推進力となりました。
そんな中、改めて河田コーチが注目されるきっかけとなった試合がありました。
5/17のベイスターズ戦、9回に鈴木誠也選手が安全にいけばワンバウンドの単打で止められた打球にダイレクトキャッチを試みて後逸、結果的に3点差を追いつかれ逆転負けを喫した試合です。
試合展開としては絶対に後ろに逸らすことだけはしてはいけない場面でした。
それでも河田コーチは「ああいう教え方をしている。誰がなんと言おうと曲げない」 とぶれない姿勢を堅持。
鈴木誠也選手を責めることなく、責任はそういう教え方をしている自分にあると言わんばかりのコメントを残しました。
就任当初から河田コーチはポテンヒットの撲滅を掲げて積極的な守備を指導。
緒方監督もこのコメントを聞いて強い責任と愛情をもって指導に当たっている証拠という趣旨のコメント残しています。
西武の指導者としてパリーグのレベルの高い外野守備を見てきてカープ外野陣に物足りなさを感じた河田コーチは就任直後から丸選手や鈴木誠也選手であればもっとレベルの高いプレーができるはずと外野へノックを打ちながら声を張り上げ、後ろに逸らすことを恐れず前へ突っ込めと教え続けてきています。
キャンプでは内野手の安部選手も含めて居残り特守を実施したことも。
チームの危機管理の一環としての位置づけがメインでしたが、丸選手と同い年の安部選手を含めることで、丸選手がまずいプレーをしてしまった際に大声でツッコミを入れられる選手がいたことでより緊迫感を持った練習になったようです。
紹介した記事は守備面での指導に関するものでしたが、河田コーチの大きな功績には走塁面にあります。
ご存知の通り、カープは昨年を上回る得点力を誇ったわけですが、その裏には高い走塁力に加えて一つ先の塁をどん欲に狙う意識の徹底もあります。
上本選手がラジオ番組でインタビューで語っていましたが、河田コーチ就任以来とにかく走塁面の意識を繰り返し叩き込まれたようです。
盗塁に関しても考え方、リードやスタート、スライディングの方法、全てを改めて叩き込まれて、これまで感じたことのない足の痛みを感じたというようなコメントを残していました。
選手たちにもその意識は浸透。今となっては一つ先の塁を狙うのは当たり前という意識が選手のプレーからも伝わってくるほど素晴らしい走塁が数多くみられるようになりました。
例えば4/11のジャイアンツ戦では1アウト1, 3塁で安部選手がファーストゴロに倒れますが、安部選手がサードから目をきった一瞬、鈴木誠也選手がスタートしてホームイン。
これは河田コーチの指示ではなく、鈴木誠也選手自身の判断で突っ込んだそうです。
他にも7/25のジャイアンツ戦で1アウト2塁からセカンドゴロをマギー選手が弾いた際にホームを陥れた安部選手の走塁や、その翌日、2アウト1塁からまたしてもマギー選手がセカンドゴロを後逸した際にファーストから一気にホームに帰った菊池選手の走塁など、素晴らしい走塁を挙げればきりがないほどです。
4月には大ベテラン新井選手のホームスチールなんていうのもありましたよね。
その中でも河田コーチは特に代走で出る機会の多い野間選手や上本選手には「試合に出ていって何かやってやろうという雰囲気や気持ちをとにかく出すように」と指導していたようです。
野間選手の凄まじい走塁と言えば、8/3のタイガース戦。
試合終盤2点ビハインドで1アウト1, 3塁からセンターへのシングルヒットでファーストにいた野間選手が一気にホームに帰って同点に追いついた場面です。
河田コーチをして「腕を回そうか思う前に目の前まできていた。確実に速くなっているし何かを起こす雰囲気を醸し出すようになってきている」と言わしめた、野間選手のすさまじさが出たカープの今年のNo.1走塁と言って良いのではないでしょうか。
河田コーチがもともとドラフトで走力のある選手を指名する傾向にあったカープの選手たちの潜在能力を引き出してくれたことが、カープの連覇を支えた走塁力につながったとみて間違いないでしょう。
数字の上でも盗塁数は2015年に比べて2016年に数字をかなり伸ばしていますし、数字に表れない好走塁も目立つようになったように思います。
あらためて石井コーチが打撃コーチに転任したタイミングで河田コーチがカープに帰ってきてくれて良かったですね!
コーチとしてだけでなくサードコーチャーとしての判断にも定評がありますよね。
選手たちだけでなく、熱い想いを持って指導に当たる首脳陣や裏方さんも含めて連覇を達成したチームが出来上がっている、そう改めて思うに十分な河田コーチのエピソードでした。
これからもファンも含めてチーム一丸、日本一に向けて一戦一戦、頑張ろう、カープ!
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