野球ファン、そして特にカープファン、ドラゴンズファンの皆さん、気になっていませんか、カープの誇るタナキクの二遊間はひょっとしたらあのアライバを超えているのではないかと。
ええ、個人的には非常に気になって夜も眠れないほどだったので、思い切って記事にしてみることにしました。
カープファンの皆さんの気分転換の一助になればという思いもこめてタナキクとアライバをデータから徹底的に比較したいと思います。
2018年シーズン終了時の比較記事はこちら(攻撃編はまだ更新できていません)。
そもそも「タナキク」?「アライバ」?という方に
ご存知の方も多いかとは思いますが念のため、タナキクとは現在カープが誇る二遊間、ショート田中広輔選手とセカンド菊池涼介選手のコンビ名、2014年に社会人を経ていたためにルーキーだった田中広輔選手がショートのレギュラーの座をほぼ確実のものとしたことで、すでに圧倒的な守備で不動のセカンドレギュラーだった菊池選手とのコンビがスタート。
2016年、カープ25年ぶり優勝の立役者として一躍注目を集めました。
対するアライバとは10年ほど前に全盛期を誇ったセカンド荒木雅博選手とショート井端弘和選手の中日ドラゴンズの二遊間コンビです。
強固な守備、堅実な打撃、機動力を併せ持ち、二人そろって走攻守揃った名選手、2000年代、ドラゴンズの黄金期を支えた間違いなく歴代屈指の二遊間コンビです。
さて、そもそもタナキクを比べる相手としてアライバが適切なのか、アライバより勝っていれば史上最強と言えるのか。
1980年代以前を持ち出されると正直、ごめんなさい、分かりません。
しかし、そんな疑問を解消できるかもしれない、アライバが史上最強とされる理由を記載している記事で個人的にはなるほど、と思えるものを見つけましたので興味のある方はご覧ください。
"驚異の守備力で中日のAクラスに貢献。史上最高の二遊間は「アライバ」"
http://news.livedoor.com/article/detail/11164573/
紹介した記事では主に守備面を特集しています。
結論として"守備の精度の高さ、守備範囲の広さ、そして8年以上の長きにわたって鉄壁の二遊間を築いた息の長さを考慮すると「アライバ」こそが、NPB史上最高の二遊間である"としています。
「タナキク」と「アライバ」守備範囲は?
さて、アライバの凄さは個人的にはリアルタイムで見られたので十分わかっていますが(そう、あの頃のカープは連続Bクラス記録の真っ只中でした)、リアルタイムであまり印象のない方はご納得いただけたでしょうか。
ここではアライバこそが史上最強だ、という前提の上でここから先、タナキクと比較してみたいと思います。
まずは守備範囲、ということでタナキクのデータ、特に最新の昨年のデータを上記記事と同じ方法で追加してみました。
二遊間が1シーズンにアウトにした数を多い順
1.2005年中日 1590(刺殺614補殺976)
二塁・荒木雅博(刺殺410補殺496)遊撃・井端弘和(刺殺204補殺480)
2.2016年広島 1523(刺殺536補殺960)
二塁・菊池涼介(刺殺307補殺525)遊撃・田中広輔(刺殺224補殺467)
3.2009年中日 1503(刺殺576補殺927)
二塁・荒木雅博(刺殺358補殺450)遊撃・井端弘和(刺殺218補殺477)
4.2015年広島 1496(刺殺536補殺960)
二塁・菊池涼介(刺殺324補殺484)遊撃・田中広輔(刺殺212補殺476)
刺殺はフライ、ライナーやタッチアウト、フォースアウトなど走者を直接アウトにした数で、補殺は他の野手に送球してアウトにした数とのことです。
二遊間の年間刺殺数・補殺数を足した数は何と歴代4位までをタナキクとアライバで占めています。
そして歴代1位は依然としてアライバです。
そんなバカな、菊池選手の守備範囲は歴代記録上位独占だと記事に出ていたのに…田中選手と井端選手の差が大きいのか…と思った方。
はい、私もその一人でした。
でもよくよく数字を見てみると、確かに菊池選手は補殺数歴代1 - 3位の記録を誇りますが、刺殺数では荒木選手に分があることが寄与していますね。
特に2005年の荒木選手は刺殺数で去年の菊池選手より100個以上も多いのです。
そして同時にとっても驚いたのは田中選手があの井端選手と年間刺殺数・補殺数ではほぼ同じだった、2005年と去年の田中選手ではわずかに田中選手が上回るという事実です。
田中選手の守備はカープファンの中ではすごいすごい、と言われてはいますが、正直あの頃の井端選手ほど認知されているとは思えません。(そして井端選手と比べれば実際、及ばないと思います、なぜかはこの次の話題を参照ください)
それでも数字は噓をつかない、田中選手の守備範囲は間違いなく井端選手並みと言えると思います。
そして一つ忘れてはいけないのが試合数が異なるということ。
単純にアウト数で比較していますので、当然試合が多い方が有利となります。
2016年は143試合、2005年は146試合ですのでアライバに有利、ということでこれを単純に補正すると2016年タナキクの数字は1555にまで伸びます。
いろいろ議論はあるかと思いますが、ここでは結論としてタナキクの守備範囲の広さはアライバとほぼ互角であり、歴代屈指のレベルにあるとします。
では「タナキク」と「アライバ」守備では同等?
ただこれをもってタナキクの守備がアライバと同等だと断ずることは出来ません。
その理由が守備率です。
引用元の記事のうち歴代守備率トップ10に3度も入っているアライバコンビ。
3.2004年中日 守備率.9929 アウト数1407 失策数10
二塁・荒木雅博 遊撃・井端弘和
5.2003年中日 守備率.99254 アウト数1065 失策数8
二塁・荒木雅博 遊撃・井端弘和
6.2005年中日 守備率.99251 アウト数1590 失策数12
二塁・荒木雅博 遊撃・井端弘和
それでは2015年、2016年のタナキクはというと…
2015年広島 守備率.9791 アウト数1496 失策数32
二塁・菊池涼介 遊撃・田中広輔
2016年広島 守備率.9858 アウト数1523 失策数22
二塁・菊池涼介 遊撃・田中広輔
一度も.990の大台に達しておらず、違いは一目瞭然です。
最強の二遊間の座を射止めるには間違いなく守備での安定感が残された課題であることが分かりますね。
特に田中選手は2015年が22個、2016年が18個とエラーが多くなっています。
一人で全盛期のアライバ2人合わせた1.5倍以上のエラーを犯しています。
田中選手のエラーはその積極性と守備範囲の広さが有ればこそと言われます(実際、間違いなくその通りだと思いますし、その結果は守備範囲のところで議論したように歴代屈指と言って良いレベルです)が、それでも全盛期の井端選手もほぼ同じ守備範囲を有していて、それに加えて凄まじく確実性の高い守備を実践していました。
データは嘘をつきません、恐るべし、井端選手。。
菊池選手は正面の打球への処理に格段の進歩がみられ(昔は正面の打球を良くはじいていしまい、逆ドーナッツ型の守備などと揶揄されていました)、昨年はわずかにエラー4つ。
目を見張る上達で隙が無くなりました。
しかしすごいのはあの菊池選手と同程度の成績を荒木選手も残しているという事実。
やはり球界に名を残す名コンビは、当たり前ですがそれだけの理由があるのですね。
改めて尊敬です。
確実性の面での結論としては、タナキクは年々上達しているが、現時点ではアライバに及ばない、としたいと思います。
守備編結論
さてこれまで見てきたように、守備範囲の面ではほぼ同等、確実性の面ではアライバに分がある、ということで守備面ではタナキクはかなりいい線を言っていますが、史上最強のアライバには "まだ"及ばないと思います。
ただし同時に現時点で既に歴代2位の力は持っているとは言えそうです。
また、カープファンだからタナキクを擁護するわけではないのですが、ドラゴンズとカープの本拠地の違いにも注目する必要はあると思います。
そう、カープのマツダスタジアムは天然芝、ドラゴンズのナゴヤドームは人工芝ですよね。
天然芝の球場はイレギュラーが多くエラーも増える傾向があり、打球の勢いも比較的弱まりアウトにするのが難しく、内野安打も増える傾向にあります。
最後に結論を出しておきながら、その結論に一石を投じてみました。
議論は尽きませんが、タナキクはまだまだ伸びシロのあるコンビですので、近い将来、記録面でアライバを超えてくれると信じて応援しましょう!
タナキクはまだまだ全盛期の始まりだと信じています。
その一角菊池選手の離脱がどれだけカープにとって大きいか、改めて確認もできました。
菊池選手の一日も早い復帰、そしていつの日かタナキクが名実ともに史上最強の二遊間コンビとして君臨する、そんな日を夢見て、これからも一戦一戦、必死に応援しようと思います。
さて、機会を見て攻撃編も書きたいと思います。
乞うご期待、です。
5/25更新 続編となる攻撃編はこちら!
タナキクコンビだけでなく、全員頑張れ、カープ!
このブログの応援もよろしくお願いします♩⇩