地元マツダスタジアムでの2戦を1勝1分と34年ぶりの日本一へ向けて好スタートを切ったカープ。ただこの後はセリーグ球団が近年勝てていないパリーグ球団の本拠地での戦いが待ち受けます。2年前の二の舞を避けるためにも、そして良い形でマツダスタジアムで日本一を決めるためにも、そのカギを握る福岡3連戦を展望したいと思います。
2014年から昨年までの4年間、何とセリーグ代表の球団が1度も勝てていないというパリーグの本拠地球場、ヤフオクドームでの3連戦が明日から始まります。
2016年、札幌ドームで1点が重い展開での中継ぎ陣が踏ん張り切れずに3連敗を喫したのは記憶に新しいところですが、昨年カープを破ったベイスターズも、その前のスワローズ・タイガースも1勝すら上げられなかったヤフオクドーム、ホークスが日本シリーズで9連勝中という完全敵地での戦いにカープが挑みます。
カープは九里投手、野村投手、中4日で大瀬良投手の先発が予想される一方でホークスはミランダ投手、東浜投手、中4日で千賀投手の先発が予想されます。
DHが使えるためホークスは慣れ親しんだ普段通りの野球をできるはず、ラッキーゾーンが設けられた影響でホームランが出やすくなっている本拠地で立て直しを図ってくるはずです。
カープとしては2戦目まで投手陣がしっかり抑え込んできた相手打線をどこまで勢いに乗せずに粘っていけるかどうか。
内川選手はデッドボールの影響が大きいということで明日もスタメン起用はなさそうですが、デスパイネ選手をDHで起用できるのは大きいでしょう。
サード松田選手に目途が立っているのでレフトにグラシアル選手、ファーストに中村晃選手の起用が基本線になってきそうです。
第2戦で復帰した今宮選手の状態に問題ないということであれば下位打線まで隙がなくなってくるだけに、DHを含めて普段の形で伸び伸び戦ってくるであろうホークス打線をこれまで通り抑えておけるか、特に流れが一気に変わる可能性のあるホームランをどこまで打たせずに粘っていけるかが1つのポイントになりそうです。
特にこれまで柳田選手相手に代表されるように内角・外角を徹底して投げ分けて相手打者に的を絞らせなかった見事な配球。
大瀬良投手、ジョンソン投手と比べるとどうしても少し力の落ちる九里投手、野村投手が同じように続けるかどうかはシリーズの流れを大きく左右するでしょう。
ホークス側もこの1日の休みを使ってカープの配球を研究、狙い球をしっかり絞ってくるはず。
第5戦からは2度目の先発に入ってきそうですし、その頃には両チームの主要な中継ぎ投手と主力打者は対戦を複数回終えて、バッターもこれまでデータの少なかった相手投手陣の球筋が頭に入ってきます。
少しずつ、両チームの強力打線が(特にここまで抑え込んでいるホークス打線が)本領を発揮してくる展開になる可能性は十分にあります。
その中でいかに相手より1点でも多く取るか、言い換えればカープ打線の状態をホークス打線が上回ってこないようにいかに粘っていけるかです。
どうしてもロースコア、1点の重みが増す短期決戦では第2戦までのように投手陣の奮闘なくして勝利は望めません。
それと同時に、いつまでもホークス打線が今のように低迷してくれることを期待するのは少し虫が良すぎます。
一岡投手・フランスア投手・中崎投手の状態はまずまず期待できそうですので、6回までをどのようにつないでいくかでしょう。
明日その3投手が打たれたらそれは仕方ありません。
ここまでの起用を見る限りは6回は岡田投手に任せそうな気配がしていますが、九里投手、野村投手は5回まで投げて2失点くらいで試合を作ってくれれば十分という形になってくるはずです。
いつも以上に飛ばしていける前提での登板になると思いますが、球威で勝負というよりは打たせて取るタイプの両投手がそのメリットをどこまで生かせるか。
中4日となる大瀬良投手が登板する第5戦までのどちらかで1勝して、相手にシリーズの流れを完全に渡さないことが本当に大事になります。
そう考えると、ホークス打線がまだ調子をつかみ切れていない明日、第3戦を何とかどんな形でもいいので勝ちたいところです。
カープ打線の方は丸選手を除く上位打線にはしっかり当たりが出ています。
周りが打っていることで丸選手も余計なプレッシャーなく、自分の状態を上げていくことに集中できるはず。
甲斐選手相手の盗塁が取りざたされていますが、ここまで積極的にスタートを切って見せていることで、何度も牽制球を挟んでくるなど、かなり相手バッテリーに盗塁を意識させることはできています。
ここまで刺されると逆に盗塁を決めた時にカープ側に勢いが出てくるはず…そうポジティブに考えるのも良いと思います。
甲斐選手も高谷選手も捕ってから投げるまでが本当に速く、また送球もばちっと走者が滑り込んでくるここしかないというところに投げる技術を持っているのは十分見せつけられました。
それでも何度もしかけていればいずれミスが出てくるはずです。
また実際に走らなくても配球面や投手の制球面に影響は出ているはず。
日本シリーズでのチーム記録となる4盗塁死に早くも並んだそうですが、今後も臆することなく機を見て盗塁を仕掛けるのでしょう。
そんなこんなで今後もカープが走る側に注目が集まるのはそれはそうだと思うのですが、カープとしては逆にチームの弱点でもある走られる側にも目を向けないといけません。
相手のホームで盗塁を決められ、それが得点につながるようなことがあれば相手が勢いづいてきそうですから、まずは余計なランナーを背負わないことが一番ですが、やれることをやって、しっかり相手の盗塁へのケアを怠らないようにしてもらいたいところです。
あとはこちらもDHで打線に厚みが出てきそうですが、まずはカープのシーズンを通してカープ打線の強みとなった曾澤選手のバッティングが機能するかどうかです。
やはり打てる捕手がいるのは大きな強みですが、初戦ではあまり良い形でのスイングをさせてもらえませんでした。
下位でランナーをためて上位に返す形を作れれば、今の上位打線であればかなり期待できますし、相手投手を消耗させられるはずです。
明日のDHは西川選手になるのではないかと予想していますが、メヒア選手も含めて指名打者で起用される選手の働きも大きくシリーズの流れを左右しそうです。
下位打線も元気になればカープ打線もいよいよ本領発揮です。
敵地で勝つためにはある程度の得点は必要になるでしょうから、さらに勢いをつかむためにも、下位打線でのラッキーボーイの出現に期待したいと思います。
そして第一戦が引き分けに終わったことで3勝3敗までもつれた場合、第7戦翌日に第8戦が行われます。
先発は明後日の試合で野村投手がよほど打ち込まれない限り中4日で野村投手を起用するのが既定路線でしょう。
ただそこまでもつれたら総力戦になるのは間違いありません。
場合によっては打者一巡だけ任せて、大瀬良投手を中3日でつぎ込むことも十分に考えられます。
先週のフェニックスリーグでも不安を残す結果だっただけに、野村投手の状態があまりよくなさそうですが、第4戦で結果が残せなかった場合にはブルペンデーのような形になることも十分想定できます。
あと3つの勝ち方はもちろん大事ですが、3つまで負けられる負け方も大事です。
短期決戦ですから多少のビハインドでもどんどん良い投手を注ぎ込むという考え方は十分理解できますが、一岡投手、フランスア投手、中崎投手。
この3人はできる限り良い状態で投げてもらいたいのもまた事実です。
そのあたりの見切り、特に僅差のビハインドでの展開の場合の投手起用にも勇気ある決断が必要になってくるかもしれません。
さて、明日からの日本一へ向けた戦いは楽しみではあるのですが、その裏でオスカル投手と青木選手の戦力外が発表されています。
オスカル投手は社会人を経てある程度即戦力として期待されて2015年のドラフト6位で入団しました。
ルーキーイヤーには一軍で23試合に登板、2勝を挙げるなど中継ぎとして期待に応える場面も見せてくれましたが昨年は2試合の登板に留まりました。
今シーズンは飯田投手、そしてシーズン後半からフランスア投手の台頭もあり、左の中継ぎとあして昇格する場面はなく、退団に至っています。
青木選手は2015年ドラフト7位で高卒野手として入団。
右投げ右打ちの強打の内野手として期待されましたが、今シーズン60試合の出場で打率2割ちょっと。
昨年の23試合で打率.143に終わったシーズンよりも多くの出場機会を得ましたが、うまくアピールにつなげることができませんでした。
打撃面での伸び悩み、そして何よりも今年のドラフトで高卒野手を数多く指名できたことで、カープとしては少し珍しい高卒選手を3年で見切る形となってしまいました。
2人のこれまでのカープへの貢献に感謝するとともに、今後の選択の先に実り多き道が待っていることをお祈りしたいと思います。
さて、色々と思うところを書き連ねてきましたが明日の先発は九里投手とミランダ投手です。
ポストシーズンで思うような投球ができていないミランダ投手の立ち上がりを攻めて、自信を取り戻すきっかけを与えない展開を期待しながら、明日の試合を待ちたいと思います!
ホークスの日本シリーズでのヤフオクドームの連勝を何としても止めたい、そして第2戦までのカープの流れを引き継げるかどうかが決まる明日の試合の持つ意味は大きいですよ!
それでも普段通り、一戦一戦目の前の一球一球に集中するカープの戦い方は変わらないはずです。
34年ぶりの日本一奪還へ、明日からも一戦一戦、チーム一丸で頑張ろう、カープ!
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