鈴木誠也選手の負傷離脱という緊急事態でも、松山選手が4番にすっかり定着し、その絶好調な打棒で打線を引っ張ってくれています。
松山選手と言えばお立ち台での「鹿児島のじいちゃん、ばあちゃん、今日も俺やったよ!」という決め台詞で球場を盛り上げてくれていますが、この決め台詞の裏には祖父母への感謝の気持ちが隠されています。
今日はそんな松山選手について、書いていきたいと思います。
松山選手は2007年大学・社会人ドラフトの4位で九州国際大学からカープへ入団。
大学選手権で当時早稲田大学の1年生だった斉藤祐樹投手からツーベースを打ったことは話題になっただけでなく、大学通算で4割を超えるアベレージを残していた実績が評価されての指名でした。
当時は高校生と大学・社会人のドラフト枠が別々で設けられていた年ですが、丸選手や安倍選手と同期入団となります。
ドラフト指名後の喜びの会見で涙ながらに家族への感謝の思いを語ったことについてはネット上でいろいろな方が記事にされています。
特におじいさんは、松山選手の学費をねん出するために所有していた牛を売って援助してくれたそうで、松山選手の決め台詞の裏にはそんな家族への強い感謝の気持ちが反映されていると言えそうです。
そんな松山選手は入団後、3年間はほぼ一軍での出場経験はなし(ルーキーイヤーの春先に2打席だけ代打で出場していますが)。
しかし2軍ではその打棒を認められ4番で起用される機会も多かったようです。
将来性を見込んで時には三塁手での起用も!
苦しいこの3年間を乗り越え、プチブレイクを果たしたのが2011年の4年目のシーズン。
プロ初ホームランを放つなど自己最多の68試合に出場し、打率.270 本塁打3 打点19の成績を残して、プロでの足掛かりを築くことに成功しました。
直前のオフには結婚を発表し、家族の存在が支えになったことは間違いないでしょう。
その翌2012年は再び苦しいシーズン。
オープン戦で4割を超える好成績を残して開幕一軍スタートもシーズンが始まると不振に陥り2軍落ち。
8月には自身初の4番で起用されるなど、期待はされていましたが、終わってみれば48試合で打率.204 本塁打0 打点7と前年を下回ってしまいました。
しかし2013年は再び飛躍の年に、シーズンを通じて初めて1軍に帯同しただけでなくバットでも結果を残して自己最多の123試合に出場、規定打席には届きませんでしたが400打席近く立ち、打率.282 本塁打10 打点52と活躍。
完全に戦力として計算できる選手となりました。
自身初のシーズン桁ホームランもこの年に記録しています。
2014年もコンスタントに試合に出て活躍していましたが、交流戦での負傷で2か月間の長期離脱がありました。
それでも規定打席には遠く及ばないものの自身初の3割を記録、80試合で打率.318 本塁打7 打点34を記録しています。
2015年、自身初の開幕スタメン出場を果たすなど、さらなる飛躍が期待されましたが春先の負傷離脱やシーズン終盤での打撃不振の影響で出場試合数こそ100試合と前年を超えましたが、打率.277 本塁打7 打点26。
打席数も出場試合数の少なかった前年を下回り、その力を発揮しきれないシーズンが続きます。
しかし昨年、代打メインの起用で始まりましたがそのバッティングで徐々にスタメンの機会をつかむと、シーズンを通して25年ぶりの優勝に貢献してくれました。
103試合に出場し300打席弱に立って、打率.291 本塁打10 打点41の成績を残し、自身2度目のシーズン2桁ホームランも達成しています。
記録だけでなく優勝を決めたジャイアンツ戦では決勝ホームランを放つなど印象にも残る活躍を見せてくれました。
2013年に迫る、素晴らしいシーズンを送ったと言えるでしょう。
そして今年。
開幕直後こそ不振に加えて負傷で一軍登録を抹消された時期もありましたが5月に復帰してからはコンスタントに成績を残してあと12試合を残した本日9/11時点で102試合に出場し.打率.327 本塁打12 打点69の成績を残しています。
現在346打席なので残り試合の関係で規定打席到達はほぼ不可能ですが、それでも間違いなくキャリアベストのシーズンでしょう。
これまで苦手とされ、スタメン起用されていなかった左投手相手にも.362を残して克服、今ではチームに欠かせない存在となり、完全にレギュラーの座をつかんだと言えるでしょう。
特に鈴木誠也選手の離脱後、4番に12試合で起用され、44-21で打率.477 3本 17打点の驚異的な成績でチームをけん引しています。
(新井選手も4番で4試合で15-6, 打率.400 1打点を記録しています)
1人の選手に依存しすぎず代役が穴を埋められる、カープの選手層の厚さの代表例となる素晴らしい活躍です。
昨シーズンオフは今シーズンの4番奪取を公言していた松山選手ですが、鈴木誠也選手離脱後には「カープの4番は鈴木誠也、自分は4番目の打者」という主旨のコメントを残し、負傷離脱した後輩への気遣いも見せています。
そんな人柄からか、打撃面だけでなく天性の愛されキャラでチームのいじられ役となりムードメーカーとしての役割も果たしてくれています。
他の選手と一緒に立ったお立ち台で(主に前田健太投手ですが)決め台詞を先に言われてしまったり、年下の菊池選手や丸選手からも「まっちゃん」と呼ばれていじられたり、愛されエピソードには事欠きません。
石井コーチも「走らせると第4コーナーで失速するけど」とその前に他の部分を落とすイジリを入れながらも「バットを持たせたら天才的」とその打撃を高く評価しています。
ファンからもその丸顔からつけられたニックネームの「アンパンマン」として親しまれ、本人もそれを受けてマツタスタジアムでの打席前には「アンパンマンのマーチ」を流しています。
試合で放つ痛快な一打はアンパンチとしてすっかりファンの間で定着。
ファンからも愛されている選手です。
今の打撃状態をずっと維持できるとは思えませんが、少しでも長く維持し、クライマックスシリーズのしびれる場面でも勝負を決める一打を放ってほしいですね!
目前に迫った連覇達成を5試合続くマツダスタジアムで達成するためにも、その打棒は欠かせません。
昨年に続いて優勝を決める試合での快打に期待しましょう!
明日からもチーム一丸、目の前の1試合1試合を頑張ろう、カープ!
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