早くもプロ野球開幕から2週間半が経ち、各チームとの対戦が一巡。カープはご存知のとおりチーム史上初の全カード負け越しという最悪のスタートを切ったわけですが、他球団の現状はどうか。シーズン前の順位予想で下馬評も出ていたわけですが、シーズンの滑り出しを見て、今後のリーグの展望を占ってみたいと思います。
開幕前順位予想を振り返る
今年のカープは丸選手が抜けたとはいえ圧倒的な強さで3連覇した選手の大多数が健在ということで下馬評は高かったです。
そしてカープ以上に下馬評が高かったのがまたもや大型補強を繰り返したジャイアンツ。
総じて見れば優勝はジャイアンツかカープかを予想する有識者が圧倒的多数。
ベイスターズ、タイガースを推す声もちらほら見かけましたが、下馬評では今年のセリーグはカープとジャイアンツの2チームのマッチレースになりそうと予想されていたと総括しても良いでしょう。
ジャイアンツを推す声が強いのは戦力の厚み、ネームバリューの面でしょうね。
丸選手を始め、今オフも大補強したジャイアンツのインパクトはやはり随一で優勝予想もそれに基づいていたものだと思います。
高橋監督へと交代する直前は世代交代を上手く行えずに成績も振るわなかったのを忘れてはいけませんが、ジャイアンツの黄金期を築いた原監督の復帰もイメージ一新の面では効果的だったのでしょう。
続くグループは先発の頭数は揃っていて打線の長打力がすさまじいベイスターズ、強力打線に村上選手や廣岡選手が加わって厚みを増してきそうなスワローズ、ガルシア投手・西投手の先発2枚を補強して一気に投手陣の厚みを増すことに成功したタイガース。
少し離れて今年は厳しい年になりそうと予想されていたのがドラゴンズでした。
データで見るここまでのカープの戦い
ここまでのカープの苦しい戦いは皆さんよくご存知だと思います。
15試合を終えて4勝11敗と勝率はまさかの.267。
得点45、失点80はいずれもリーグ最下位。
単純計算なら5点を超えるチーム防御率になるはずのところが4.09 (リーグ5位)…この差は主にエラーがらみの失点によるもので、チーム失策数19は圧倒的最下位。
先発のQS(6回自責点3以内)達成率はわずか33.3%でこれまた最下位。
チーム打率.212、チーム得点圏打率.173、チーム代打率.129。
本当にひどい数字のオンパレードで全部最下位です。
それはチーム史上最悪のスタートになるわけですよ、納得。
ここまでの最悪の滑り出しがすぐにカープの戦力が他チームに劣っているとつながるわけではありません。
下馬評を見てもカープの戦力は整っている方という評価でしたし、何より昨年までのリーグ3連覇を達成した選手のほとんどが残っていて、戦力がリーグ最下位ということはないでしょう。
そもそも野球は戦力が劣っていても比較的勝つチャンスがあるスポーツです。
例年、10年に1回レベルのよほどひどい年を除けば最下位でも勝率4割(2勝3敗ペース、15試合なら6勝9敗)は確保できるスポーツです。
他の下克上が起こりにくいスポーツとは違い、戦力が劣っていても運の要素も大きく絡むので戦えるわけです(良い当たりが正面をつくこともあれば打ち取られたあたりがヒットになることもある)。
カープの4勝11敗というのはまさにドン底の状態がシーズンの一番最初に来てしまった状態といってよいのは間違いありません。
開幕から10試合で3勝7敗からの優勝はチームの歴史上過去に例無し、4カード連続負け越したチームはプロ野球の歴史上優勝したことがない。
出遅れてから立て直して優勝するレベルまで巻き返す難しさは分かっているつもりでしたが、改めて客観的なデータに基づいて言われると重みがまた違います。
ただ前例がない = 不可能というわけではない…それでも相当厳しいでしょうが。
カープがここから逆転優勝する可能性があるとすればリーグで抜け出すチームがなく、混戦になってくれることです。
そういう意味では最下位に沈むカープがあちこちのチームから勝ち越して相手の貯金を減らしていかないといけないのは当然のこととして、他力でも下位のチームに上位にいるチームを叩いてもらわないとどうしようもありません。
そうすればまだカープが立て直せればワンチャンスあるとは言えると思います。
長いシーズン不測の事態としてけが人が出ればチームのパワーバランスは大きく変わります。
ここまでスワローズは坂口選手が離脱、パリーグに目を向けるとホークスの柳田選手も離脱しておりこういう不確定な要素、チームの層の厚さが試される展開になる可能性はどのチームも有しています。
それに加えてシーズン半ばで各チーム誰か新戦力が台頭してくる可能性だってあるわけです。
また、CSがあるだけに苦しくても投げ出さずに、少しでも白星を拾って上昇気流を引き寄せる戦いを続けなければいけません。
そのためにも難しい部分があっても、出来る限りファンが去年までのように球場の空気を明るくしてチームを支えることも大事になってきそうです。
他5球団の滑り出しを下馬評と比較
さて、他球団のここまでの戦いを下馬評と比較すると…
首位のスワローズですがここまでは圧倒的な打線の破壊力がチームを牽引。
投手陣に不安を抱えるチームですが、それを覆い隠せるほどの打線の絶好調振りです。
坂口選手が離脱していてこれですから、本当に凄い。
ただ、投手力に不安がある = 打線の状態が落ちたときに崩れる可能性が高いチームですから、このまま独走する可能性は比較的低いのは救いか(願望込み)。
先発のQS率はリーグ5位の40%というデータも投手力の不安を裏付けています。
ただ何というかここまでの戦いには勢いがあります、一昨年の悲惨なシーズンを経験して勝ちに飢えている選手が多いでしょうから打線の勢いがしばらく続くのであれば投手陣がそれに乗って一気に走る可能性はあります。
カープとしてもマツダで3連敗を喫していますし、走られるとかなり厳しい相手になってきそうです。
2位のベイスターズですがバランスよく競り勝てている状態でしょうか。
期待していた先発投手が複数人(石田投手、東投手)離脱していての好調な滑り出しですから、復帰してくるまで崩れなければ上位に突き抜けていく可能性もあるチームです。
ただ現状一気に抜け出すだけの戦力はまだ整っていないのも確かといったところか。
3位のジャイアンツは打線は思惑通り強化されています。
ただ課題の中継ぎ陣はまだまだ目処が立っていません。
終盤の接戦に不安を抱えているだけに独走するにはまだ戦力の整備が必要か。
それでも先発陣は揃っていて、打線も核がしっかりしているだけに走り始めたら止めるのは難しそう。
快調な滑り出しで独走もありえましたがここにきて少し落ち着いたチーム状態となっており、カープにとってもまだ付入る隙はありそうです。
ドラゴンズは下馬評よりも打撃陣、投手陣ともに健闘しています。
先発陣がここまでのように踏ん張っていければ大きく沈むことはなさそうです。
ただ打線・投手陣ともに好調といえる状態でも中々貯金を作れていないので、果たしてこのまま続けていけるかというところか。
タイガースについては今のカープにいえたことじゃありませんが下馬評どおり得点力不足がやはり深刻そうです。
ガルシア投手の不調も痛い。
…と、色々と書きましたが2年連続リーグMVPが同一リーグ内で移籍したこともあり、今年は過去3年に比べて接戦になりそうなのは間違いないです。
スワローズ打線の爆発がどこまで続くか次第ですが、このままシーズン終わりまで独走というチームはまだ出てこないでしょう(繰り返しになりますが願望込)。
ただ今のスワローズのように序盤で勢いに乗るチームの選手たちは自信をつけて予想できないような活躍を見せることも珍しくない世界。
明らかに戦力が劣るチーム、勝ち星を拾えそうなチームが現時点では見当たりませんから(カープは戦力では劣っていないぞ!!)、まだまだここから。
ここ3年の圧倒的な強さに慣れているので、相対的に戦力が落ちた今シーズンはもやもやすることが増えるのは覚悟の上。
(ここまでの滑り出しの悪さはさすがに予想できませんでしたが…)
ネガティブになりすぎず、今年のカープが強くなっていく過程も楽しめたらよいなと思います。
大丈夫、カープを信じましょう!
まずは自分達が状況を変えないと何も始まりません。
明日からはジャイアンツとの2連戦です。
スワローズに連日の大敗で少しつまずきそうなムードのジャイアンツを叩いて、カープは浮上のきっかけをいい加減掴まないといけない。
最下位に沈んでいるカープが負ける = 他5球団の貯金が増える = リーグが混戦になりにくい。
昨日も書きましたがもう待ったなし、これ以上ずるずるいったら試合数がいくら残っていてもそれこそ数字上は十分に可能でも現実的には逆転優勝が難しくなってきます(既にデッドラインを超えたという説はありますが…いや、まだデッドラインは超えていませんよ!)。
今週からカープが勢いに乗って、是非リーグを混戦にもちこみましょう!
球団記録をさらに更新するリーグ4連覇へ、チーム一丸で今年も頑張ろう、カープ!
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