今年より先着順の販売を改め、抽選へと切り替えたチケット販売方法。それでも連日報道されているように紙の配布だったために想定以上の人数が溢れ返って告知より早めの配布開始、そして何よりも広報していた来場者全員への配布も断念。大人気ゆえの嬉しい悲鳴ともいえますが、まだまだ課題が残りました。
想定を上回る約5万人が来場
11時より配布、来場者全員に抽選券を配布と告知していましたが、球団の想定はコンコースに約1万人、球場外のスロープ、通称プロムナードに5000人。
昨年窓口に並んでいたのが2600人程度だったということでその5倍、色々あってもその10倍には収まるだろうという球団の読みを遥かに上回るファンが殺到。
Aクラス入りするまでは160万人弱で推移していた年間観客数もAクラス入りや黒田投手のメジャーからの電撃復帰を契機にどんどん盛り上がって、いまや4年連続の200万人超え。
球団史上初の3連覇を達成した昨年は223万人を超えて球団史上最多を4年連続で更新。
留まるところを知らないカープフィーバーに、今年は抽選券の配布で昨年より機会が広がったということもあり遠方からもわざわざ足を運んだファンもいるほどだったようです。
…しかし結果はご存知の通り。
想定外の人混みに球場周辺の交通マヒ。
踏み切り周辺まで連なる行列にJR職員も安全確保のために臨時で動員され、警察からの指導も入る結果となってしまいました。
そして安全確保のため、広報していた来場者全員への配布も断念せざるを得ない状況に。
球団の見積もりが甘かったという面は否めませんが、それよりもネットがこれだけ広まっている中で抽選券の配布という仕組みが最善だったのか…何もせずに昨年までのシステムを続けるよりはずっと良いですが、今年の仕組みが来年も続くことはないでしょうね。
どうすれば本当にチケットが欲しいファンに最大限公平に行き渡るのか…
上手く機能したとは到底いえませんがそれでも今年抽選を導入したことにより、先に並べば確実に買えた昨年までとは異なり運の要素が絡むため、一定の転売対策にはなったと思います。
改善するためにはやはりネットの力を駆使するしかありません。
配布場所を増やしたとしても今回のことを考えれば相当保守的に列を作る場所を考えないといけなくなったでしょう。
ネットでの抽選であれば抽選券をもらうための行列は一切不要になります。
地域密着、ネットが分からない主に年配の方のためにどうしても抽選券という形にこだわるとしても、ネットを併用するだけで確実に状況は改善するでしょう。
公平性を期すのであれば、今年の2100人という枠をネット申し込み数、配布した紙の抽選券の比で分配して当選確率は同じにすることはできるはずです。
遠方のファンも申し込みしやすさが格段に上がり、倍率はさらに上がるでしょうが何らかの形でネットで抽選する仕組みを導入することは今年で不可避となったと思います。
あとは年間の試合を一括で販売する現在の方法を改め、複数回に分けて販売することでも一定の効果は見込まれるでしょう。
ただカープ球団は頑なにこの方式の導入を拒んできている過去を考えると、実現可能性は低そうですが…。
球団としては入場券収入はいつ売れても変わらず、経費がかさんで販売機会を損失する可能性もある複数回の販売はしたくないんでしょうね。
あとは購入試合日の制限こそあれど、1試合当たりの購入枚数の制限がないという現在の仕組みもどうか…。
今のカープの人気を見ればかなりシビアな購入枚数の制限をかけても完売すると思うので、多くのファンに球場に足を運んでもらうという点ではここも改善の余地は十分でしょう、そして転売対策にもかなり効果的だと思うのですが…。
団体さんを除外したくないのは分かりますが、団体枠は別に設けて、10枚程度でも良いので上限を設けたら良いと思います。
人気が落ちたらそのときには柔軟に上限を変えれば良いと思うのですが…。
今の方式では抽選に当たっても2日目の枠であれば買えないという可能性も十二分にありますからね。
あとは転売対策という意味ではチケット価格を上げるのも一つの手だと思います。
転売屋の収入は売れた額 - 定価。
定価が上がればそれだけ収入は減るわけで、転売のターゲットとなる確率は下がるでしょう。
結局今は定価の2倍でも見に行きたいファンが耐えない状況、それだけ人気がある状態なので価格を上げるという手はあると思います。
ファンからすれば嬉しくない話ではありますが、これだけチケット購入が難しく、転売ターゲットとなってしまっている現状では仕方ない側面もあるでしょう、長い目で見ればファンにとっては定価でチケットを手に取る機会は増えるのではないでしょうか。
このチケット購入問題とは少し離れますが、あとは自由席の座席争奪戦も激しすぎるので、その指定席化も検討する価値は十二分にありそうです。
色々変えることでファン離れの懸念は絶えないと思いますが、そして良いときばかりを想定して悪いときを想定しないのも正しくないとは思いますが球団が真摯に対応していれば見ているファンは見ているはずです。
来年までまた1年。
ネット抽選導入は不可避として、それ以上の更なる着地点の模索を球団には期待しましょう。
球団記録をさらに更新するリーグ4連覇へ、チーム一丸で今年も頑張ろう、カープ！
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