今日は久々にカープの試合に関する記事を書けるかと思っていたのですが雨で中止になってしまいましたね。
代わりと言っては何ですが、近年注目されていて議論も行われている名球界入りの投手・野手の資格の格差についてまとめてみようと思います。
今回、元となった記事がこちら。
鳥谷敬の2000本安打達成で思う。投手の名球会資格は下げるべきか (webスポルティーバ) - Yahoo!ニュース
名球界は1978年に設立され、現在では一般社団法人として、「社会の恵まれない人達への還元と日本プロ野球界の底辺拡大に寄与する」ことを目的に、国内外で少年野球指導や支援をはじめとする野球の普及促進および社会貢献、講演などを実施しています。
その入会資格は昭和以降生まれで、投手なら200勝以上もしくは250セーブ以上、野手なら2000本安打以上(いずれもNPBでの記録を起点として日米合算できる)に設定されています。
あくまで資格を得るだけなので入会するかどうかは当たり前ですが当人に決定権があり、中には辞退する方もいらっしゃいます。
以前、当ブログでも記事にしたように今年に入って荒木選手、青木選手、阿部選手、鳥谷選手が2000本安打を達成して新たに入会資格を得た一方で投手では入会資格を得た選手はいません。
紹介した記事で問題として取り上げているのは200勝が2000本安打に比べてあまりに達成のハードルが高くなっているということ。
近年では当たり前のように投手は分業制が定着して、エースが完投当たり前、場合によっては抑えもやってフル回転していた時代(シーズン30勝も珍しくなかった時代)と比べて、週1度の登板がベースでありシーズン20勝挙げるのすら至難の業という現状に照らし合わせるとその壁が相対的に高くなっていることを取り上げています。
記事では触れられていませんが、野手の安打数は試合数が130試合前後から今では143試合と10試合以上増えていることを考えれば2000本安打の基準が相対的に低くなっているのとは対照的です(試合数が増えれば投手が挙げる勝ち星も増えますが、分業制のマイナスのインパクトの方が大きいでしょう)。
これを示唆しているのが記事で紹介されている2000年以降の達成者数の差。
野手では毎年のように達成者が出て合計27人が達成しているのに対して投手では200勝は工藤公康、山本昌、そして黒田博樹の3人のみ。
250セーブは岩瀬投手、高津投手、佐々木投手が達成しています。
1990年以降に対象を広げて数えてみても野手陣は3人加わるのに対して投手陣は北別府学ただ1人。
トータルの会員数でみても野手48人に対して投手16人とその差は歴然。
今後同じ基準で運用を続ければその差はますます開いていくものと思われます。
かといって投手の勝利数の基準を下げるのには中々抵抗があるようで、近年の分業制を反映してセーブ数250という基準こそ導入されていますが、200勝の基準が下がるという話はまだ現実的なものではないようです。
190勝以上であれば3人、180勝以上であればさらに7人、170勝以上であればさらに6人新たに資格を得られる方がいます。
これで現会員の16人と合わせて32人。
これでも野手の会員の方がまだ多いです。
ちなみに歴代通算勝利数ランキングの48位はスワローズ石川投手の156勝。
単純に人数だけで考えれば150勝くらいが現行の項目のまま決めるのであればラインとして妥当なのではないかと思います。
これが甘すぎると考える方もいらっしゃるかもしれませんが、投手の場合、勝利数とセーブ数の合算が認められていないので先発から中継ぎに、あるいはその逆で配置転換されるとそれだけで単純に名球界資格からみると大きなマイナスになります。
そもそもセーブのつかない守護神以外の中継ぎ投手陣はどんなに活躍しても名球界入りの資格は得られません。
野手陣は試合に出て打席に立つ限りは守るポジションが変わっても安打数という資格の性質上影響がない、ここも不平等なポイントの一つでしょう。
また野手はチーム成績による影響が少ないのに対して(打席数は強打のチームほど回ってきますので影響がないとは言えませんが)、投手の基準はもろにチーム成績によって左右される点でもはっきり言って不平等です。
登板試合数や投球イニング数のような基準であればチーム成績の影響も減ってくるかとは思いますが、ここまで大規模な基準の変更は期待できないでしょう。
といろいろと書いてきましたが今後200勝に到達する可能性のある投手は…
(2017.9.27現在)
岩隈久志(マリナーズ) 170勝 36歳
松坂大輔 (ソフトバンク) 164勝 37歳
石川雅規(ヤクルト)156勝 37歳
田中将大(ヤンキース)150勝 28歳 (11月で29歳)
ダルビッシュ有(ドジャース)149勝 31歳
岩隈投手がギリギリ達成できるかどうか、絶対的なエースとして長年君臨してきた田中投手、ダルビッシュ投手で今のペースが維持できて30歳半ばから後半で到達するという感じでしょうか。
やはり野手陣のように毎年一人のペースでは達成できそうにないですね。
我らが前田健太投手も125勝とチャンスはありますが今のペースでは岩隈投手と同じようにギリギリ達成できるかどうかといったところでしょうか。
250セーブは順調にいけばサファテ投手が来年にも達成しそうです。
野手のラミレス選手に次いで、投手としては外国人初の資格取得者になりそうです。
なんでもかんでも平等が良いというわけでもないのでしょうが、やはり何らかの改定をしないと不平等感は拭い去れないでしょう…
思い切って3000投球回数(通算27人達成)または650試合登板(通算23人達成)のようにチーム成績の影響を受けにくい数字に変更できれば良いのかもしれませんが…。
いろいろと書いてきましたが、通算記録でも特に目標となるものがあるとやはり選手としては励みになるでしょうしファンとしても選手を応援する視点が一つ増えて楽しみが増えますよね。
何とかそう遠くない未来に、現実に照らし合わせてもう少し平等な基準に変更があることを個人的には期待しています。
カープだけに関係した話ではありませんでしたが気になったので記事にさせていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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